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サービス案内増資(募集株式の発行)

募集株式

株式会社の資本金の額を増加させる方法の一つに募集株式の発行があります。募集株式の発行については、
①株主割当て
②第三者割当て
③公募
の三つに分けることができます。株式譲渡制限があるような小規模の株式会社の場合は、市場価格がなく、広く一般から募集することは困難であるために、③公募による方法はここでは取り上げないこととします。

株主割当て

株主割当てとは、株主わに株式の割当てを受ける権利を与えるもので、既存株主の持株比率を変化させないものです。
株式の譲渡制限のある会社が、株主割当ての方法による募集株式の発行を行う場合には、原則として、株主総会の特別決議により、①募集事項②株主に募集株式を割当てる旨③募集株式を引受ける申込みの期日を定めることが必要です。
株主割当ての場合、株主は募集株式の申込みをすればその持株比率を維持することができるが、申込み・払込みを事実上、強制されることとなるために原則として株主総会の特別決議が必要となります。
ただし、定款に別段の定めがある場合には、取締役の過半数の一致(取締役会設置会社においては、取締役会の決議)をもって決定することができます。

1.①の募集事項の内容は以下のとおりです。
・募集株式の数
・募集株式の払込金額
・金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
・募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日または期間
・増加する資本金及び資本準備金に関する事項
その他、②株主に募集株式を割当てる旨③募集株式を引受ける申込みの期日を定めます。

2.株主に対する権利内容等の通知
上記1で定めた事項等を募集株式の申込期日の2週間前までに各株主に通知します。
申込期日までに申込まない場合には、募集株式の割当てを受ける権利を失います。

3.申込み
募集株式の引受の申込みをする者は、書面により、①氏名または名称及び住所②引受をしようとする募集株式の数を会社に交付しなければならないとされています。

4.割当て
募集株式の募集に対してその引受の申込みがなされたときは、会社は申込人の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつその者に割当てる募集株式を定めなければなりません。
株主割当ての場合には、株主の適法な申込みに対して、会社は募集株式の割当てをする義務があります。
割当てが決まると、会社は、払込期日(払込期日の初日)の前日までに申込者に対して、割当てる募集株式の数を通知しなければなりません。

5.払込金額の払込み
募集株式の申込みに対して会社から割当てを受けた者は、払込期日または払込期間内に会社が指定する銀行等の金融機関において、払込金額の払込みを行うか、現物出資財産の給付を行わなければなりません。

6.登記申請
発行済株式の総数、資本金の額等に変更が生じることとなるので、金銭の払込み期日(払込期間を定めた場合には、当該期間の末日)から2週間以内に、その本店所在地において変更の登記をしなければなりません。
登記申請に必要な書類は、以下のとおりです。
・株主総会議事録
・募集株式の引受けの申込みを証する書面
・払込みがあったことを証する書面
・資本金の額の計上に関する証明書
・委任状

第三者割当て

第三者割当てとは、会社の取引先等に株式の割当てを受ける権利を与えるもので、既存株主の持株比率を減少させるなどの影響があります。
株式の譲渡制限のある会社が、第三者割当ての方法による募集株式の発行を行う場合には、株主総会の特別決議により、募集事項を定めることが必要です。
特に有利な払込金額による第三者割当ての場合には、既存株主の経済的価値についての利益を保護するという観点から、取締役は当該株主総会において特に有利な払込金額を決定することが必要な理由を説明する責任があります。
また、株主総会の特別決議で募集する株式の上限及び払込金額の下限を定めたうえで、当該株主総会の決議の日から1年以内に払込期日(払込期間を定めた場合にはその末日)を設定する募集株式の発行の決定を取締役(取締役会設置会社の場合は、取締役会)に委任することができます。

1.募集事項の内容は以下のとおりです。
・募集株式の数
・募集株式の払込金額
・金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
・募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日または期間
・増加する資本金及び資本準備金に関する事項

2.取引先等に対する権利内容等の通知
上記1で定めた事項等を通知します。

3.申込み
募集株式の引受の申込みをする者は、書面により、①氏名または名称及び住所②引受をしようとする募集株式の数を会社に交付しなければならないとされています。

4.割当て
募集株式の募集に対してその引受の申込みがなされたときは、会社は申込人の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつその者に割当てる募集株式を定めなければなりません。株式の割当ては、定款において取締役(取締役会)に委任する旨の別段の定めがある場合を除き、株主総会の特別決議をもって行います。
募集株式を割当てる取引先等がすでに決定している場合は、当該取引先等からの申込みがあることを条件として、上記1の募集事項を決定した株主総会において割当てに関する事項も決議することができます。
割当てが決まると、会社は、払込期日(払込期間の初日)の前日までに申込者に対して、割当てる募集株式の数を通知しなければなりません。

5.払込金額の払込み
募集株式の申込みに対して会社から割当てを受けた者は、払込期日または払込期間内に会社が指定する銀行等の金融機関において、払込金額の払込みを行うか、現物出資財産の給付を行わなければなりません。

6.登記申請
発行済株式の総数、資本金の額等に変更が生じることとなるので、金銭の払込み期日(払込期間を定めた場合には、当該期間の末日)から2週間以内に、その本店所在地において変更の登記をしなければなりません。
登記申請に必要な書類は、以下の通りです。

・株主総会議事録
・募集株式の引受けの申込みを証する書面
・払込みがあったことを証する書面
・資本金の額の計上に関する証明書
・委任状

※総数引受契約
申込み及び割当てによって募集株式引受人を決定する方法以外に、募集株式を引受けようとする者(第三者割当ての場合は、あらかじめ株式引受人が決まっている場合が多い)と会社との契約によって、株式引受人を定めるという方法が認められている。
この場合には、会社との直接の契約によって定められた募集株式の数の割当てを受けることとなるので、募集株式についての申込み及び割当てを行う必要はありません。
会社と募集株式引受人との間で「募集株式の総数引受契約書」を作成することとなります。

イントリム司法書士事務所
司法書士 松永和也
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